予習と復習を考える
お母さん方から彦さん『予習』と『復習』どちらが大切だと思いますか?とよく聞かれます。
そんな時、私はいつもこう答えるんです。『復習は授業の一部と考え、授業が終わったら必ず行う必要があります。学校の授業と分けて考えることは出来ません』
『予習は、授業に積極的に参加するためのもので、復習を助けるものです。復習時間の短縮を図ることが目的となります』
予習と復習の意味
予習とは、『まだ習っていないところを前もって学習・稽古すること』です。学校の勉強では、授業を中心として事前にする学習が予習で、授業終了後に行うのが復習です。
復習は授業で覚えたことを脳に定着させるために行います。この1点に限られますが、予習には、バリエーションが多くあります。
『授業の範囲を確認する』ことから『自分の理解できない所を洗い出す』『授業内容を理解する』など予習に対する時間のかけ方によって達成度が違ってきます。
授業が楽しく受けられる。積極的に発言できる。勉強の理解度が深まる。友人に自慢できる。復習時間を短縮できる。
今回は触れませんが、塾通いをしている生徒さんにとっては、違う意味を持つのが予習です。最後に記載しておきます。
私の失敗談
以前の私は、予習など考えてもみませんでした。復習さえやっていれば良いと考えていました。授業中に教わったことで理解できなかったことは、復習で理解すればよいと考えていました。
この考えから復習時間は長くなり、全ての教科を復習することができないこともあり、脳に定着するための場であるはずの復習が理解のための時間となってしまいました。
私の問題点は、授業中に全て理解できなかったことがあったことにあります。
予習の大切さ
覚えることが少なく簡単な小学校低学年では、あまり予習のメリットを感じることはありませんが、高学年、中学生と学年が上がればあがるほど授業内容も難しくなりますので、予習の大切さを実感します。
また不得意な教科となれば、集中することが難しく、理解も儘ならなくなります。これを避けるためにも、予習が大切になってきます。
初めて習う事を1時限の間に全て理解することは、相当な能力と集中力が必要となります。しかし予習をしておくことで、授業への不安が少なくなり、余裕をもって授業に臨めます。
予習をすることのメリット
1、予習をすることで、授業が理解しやすくなり、授業中先生の話を集中して聞くことができる。
2、授業内容を把握することで授業全てに緊張することが少なく、疲れない。
3、授業の理解度が上がるため、復習の時間を減らすことが出来る。また他の教科への復習時間に振り替えることが出来る。
4、授業内容を把握していることで、積極的に手を上げたり、質問に答えたりが可能となる。言い換えれば、授業中、自信が付き積極的な行動がとれる。
5、メリットの最後に忘れてはいけないことが、内申書の点数が上がる。『授業態度の充実』『積極的な質問と答え』『クラスメートへの積極的な教え』など内申書の評価が高くなる。
予習をすることのデメリット
予習することでデメリットが生まれることがあります。そのデメリットとは、メリットの裏返しです。
予習時間を増やす事で復習時間が削られる。
ほかの生徒より答えられることで、態度が横柄になる。
自分は能力があると勘違いする。
この勘違いは復習にも影響を及ぼす。脳に定着させるための復習がおろそかになる。
謙虚な態度で授業に臨むことが大切です。
予習のやり方
予習はあくまでも授業のために行う学習です。全て理解する必要がないことを頭に入れておいてください。
予習は、多くの時間を使ってやる事ではありません。理解することを目的としないで、授業中に理解が深まるようにざっと全体を把握しておくようにしましょう。
国語や英語、社会、地理、世界史など文科系の科目は全体を把握するために、教科書に目を通しておきましょう。2~3回読み込めばOKです。
特に国語や英語では、解らない漢字や英単語は調べておきましょう。それだけで授業に対する理解度は高くなります。習っていないことを全て理解することは、時間の無駄使いです。
時間の無駄使いと書きましたが、習っていない所を理解するために多くの時間を使うより復習に時間を当てた方が良いということです。
予習と復習の関係
授業中の理解度によって復習時間は違ってきますが、その授業中にどれだけ理解できるかによって予習時間を決める必要があります。
例えば、授業中に全て理解できれば、復習は脳への定着時間だけでよいので、予習時間は必要ありません。しかし授業中の理解度が少ない場合は、予習時間を多くして授業中の理解度を上げましょう。復習時間は脳への定着に専念しましょう。
得意科目と不得意科目によっても必要とする予習時間は違ってきます。自分が授業中多くのことが理解できるのであれば、予習時間を短くして理解が出来ない教科の場合は予習時間を長くしましょう。
こんな復習方法もある
授業を受けて自宅で行うことが復習ですが、自宅や塾で行うことだけが復習ではありません。
私の行っていたこの復習ですが、これが結構良い成果を上げていました。休み時間を5分程使う復習ですが、5分のわりに効果抜群でした。
授業の始まる5分前に机に座り、教科書を最初から1ページずつ確認しながら現在習っているところまで見るだけの簡単な方法です。最初のうちは捲って確認するページが少なく時間はかかりませんので、記憶時間に当てることが出来ます。
授業が進むにつれて見返すページは増えていきますが、最初のページは何回も目にしていますので、一瞬見ただけで確認できます。これをくり返すことで、授業の最終になると捲るページは多くなるが、全て頭の中に入っています。
『速読術』の要領で、授業で教わる大切な部分を覚えることが出来ます。教科書に引いた大切な文言が絵のように右脳に入ってきます。
教科書を利用したページ捲りを提案しましたが、自分でまとめたノートを利用すれば、もっと理解が進みます。
勉強をよく理解するために
お子さんに進めてほしいことが、お友達に勉強を教えてあげることです。お友達に教えることは、うろ覚えでは、お友達に教えたり、説明したりすることはできません。
教えるには、自分で一生懸命復習して、完全にマスターする必要があります。それでようやくお友達に教えることが出来ます。
お子さんがお友達に教えてあげることが出来なければ、親御さんが生徒になって教えてもらいましょう。兄弟姉妹のいるお子さんは、弟君や妹さんに生徒になってもらっても良いでしょう。
最後に
復習の大切さは誰もが知っていることですが、その復習に掛ける時間を短縮するのが、予習です。予習は次回受ける授業の内容を確認することです。先ずは授業範囲を確認しましょう。
国語や社会(世界史、日本史、地理、公民)は、2度から3度、通して読むことで、予習は完了します。(全てを記憶することが一番ですが、予習は復習とは違います)
英語や国語(現代国語)では、英単語や漢字の意味を事前に調べておくことで授業の理解度に差が付きます。解らない単語をそのままにして授業に臨むより、理解して臨むことにより理解度が進みます。
予習することにより、他のクラスメートより一歩先を進めます。先生の質問に対して、積極的に答えることが出来ます。
親御さんも生徒になってお子さんをサポートしましょう。
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おまけ(塾通いの生徒さんへ)
塾へ通っているお子さんの場合、教えてくれる先生がいるので、予習ではありません。学校の授業と同じなので、予習時間はどんどん先へ進めましょう。
どんどん進めることで、学校の授業中は、脳への定着時間に当てることが出来ます。
先生の授業を無視して問題を解いたりすることではありません。先生の行う授業の流れの中で脳に定着させましょう。
そうすることで、内申書の点数を上げることが可能となります。