受験対策に朝型勉強法は有効です。
朝型勉強法を取り入れることで、学力アップは間違いありませんが、短期間での成果は期待できません。続けることが大切です。
その優れた朝型勉強法を何年も継続することは非常に難しいものです。そこで、朝型勉強法のメリットとその難しい継続のコツをまとめましたのでレポートします。
短期記憶から長期記憶へ
先ず、脳の記憶方法をおさらいしておきましょう。
新たに勉強した事は先ず海馬に記憶して整理されます。その後、整理整頓された記憶は大脳皮質に貯められます。
くり返して学習することで、残しておく記憶として長期間保存されます。
長期保存された記憶は簡単に失われることはなく、大脳皮質に刻まれています。これが記憶の仕組みです。
朝型勉強法のメリット
集中して勉強に取り組むことが出来る静かな環境
朝型勉強は、学校へ行くまでの短い時間に行うため、集中して取り組むことが出来るようになります。
特に、誘惑に弱い学生には、朝型勉強を進めます。早起きした朝の時間帯であれば、外部からのメールや物音の影響は少なく、静かな環境で勉強が出来ます。
朝型勉強は記憶スピードが早い
朝は一日の中で最も頭が冴えている時間帯です。その冴えた状態の頭で、読んだり、書いたりした事柄がどんどん頭に入ってきます。
一日の学習の中で、頭に入るのは早朝でその後、徐々に記憶力は低下していきます。よって朝型勉強法は、理にかなった脳科学的勉強法です。
入試と同じ時間帯に勉強
高校や大学の入学試験は、朝スタートします。毎日の勉強時間が入学試験と同じ時間帯であることは、生活のリズムを変えることなく、試験に臨め、最高のパフォーマンスを発揮できます。
新たなキャンバスに絵を描くが如く
ぐっすり眠ることで、前日覚えた勉強の整理と記憶定着が完了して新たな記憶スペースが確保されます。
新たなキャンバスに絵を描くが如く、スムーズに言葉が入って来るのが朝型勉強です。
夜型勉強法のデメリット
夜型勉強では、翌日朝までが勉強時間と勘違いしてダラダラ勉強になります。
夜、勉強を始めた時、同級生からメールやラインにより、勉強に熱中できませんん。
また、兄弟の話し声や物音、テレビの音・声などで集中できません。
無理して朝方まで勉強すると、睡眠不足となり、翌日の授業がおろそかになったり帰宅後の勉強にもひびきます。
眠い目を擦りながらの勉強では、学習効率が悪く、机に向かう時間だけが増えることになります。
セロトニンの効果
セロトニンとメラトニンってなに?
セロトニンは、『幸せホルモン』と呼ばれ、目を覚まさせ、頭をスッキリさせます。セロトニンはメラトニンを作る原料でもあります。
メラトニンは、『睡眠ホルモン』と呼ばれ、セロトニンが変化してメラトニンになります。眠気を誘う大切なホルモンです。
セロトニンは太陽光を浴びて増加しますが、夜になるとメラトニンに変化するため、眠くなります。
よって眠気の多い夜型よりぐっすり眠って、スッキリした朝型の方はメラトニン効果は高いようです。
セロトニン分泌による脳のめざめ
セロトニンの分泌量が少なくなると寝付けなかったり寝起きが悪くなったりします。
言い換えればセロトニンが多く分泌されれば、ぐっすりと眠ることが出来て、寝起きも良くなります。
脳の神経伝達物質であるセロトニンは、脳の働きを活性化して記憶力を高くキープしてくれます。分泌量を増やすことで、勉強効率が格段にアップします。
また、モチベーションがアップしてひらめきや直観力といったパワーを向上させてくれます。
(やる気スイッチが入っている状態で前向きに勉強に向き合え、苦手科目攻略に取り組めるような状態です)
セロトニンを増やす方法
日光浴で増やす
早起きしたら窓とカーテンを開けて眠気を飛ばして、光にあたりましょう。
セロトニンは日光を浴びることによって脳で合成されます。
直射日光で出なくても曇りや雨の日の柔い光でも合成が可能です。
5分以上の光を浴びることでセロトニンを増やすことが出来ます。
有酸素運動で増やす
軽い有酸素運動でセロトニンを増やすことが出来ます。室内で行う軽い運動でも増やせます。
踏み台昇降やスクワット、エアロビクス、ラジオ体操など何でもOKです。
10分以上行えばセロトニンを増やすことが出来ます。室外ならウォーキングやジョギングで簡単に増やすことが出来ます。
食事摂取で増やす
乳製品や大豆食品に含まれるトリプトファンとビタミンB6を採ることでセロトニンを増やすことが出来ます。
ビタミンB6は、ニンニク、とうがらし、ごま、サバ、サンマなどの魚などに多く含まれています。
DHAで脳の働きが活発に‼
朝型勉強法とは直接関係ないですが、DHAを多くとることで、記憶力が良くなります。
DHAは人間の脳の脂質中にも多く含まれており、記憶や学習といった脳の機能に重要な役割を果たしていると言われています。
早起きを習慣にするコツ
早起きをすることは大切ですが、睡眠不足では、朝型勉強法の効果も上がりません。十分な睡眠をとり、セロトニンを増やして頭もスッキリな状態で勉強に打ち込みましょう。
早起きのルーチン行動
早起きをしたら、カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。ここで朝日を浴びることで、セロトニンを多く作り出すことが出来ます。
睡眠ホルモンと幸せホルモンを作り出すことが出来ますので、毎日同じリズムで生活できます。
幼児期からの早寝習慣を継続
幼児期のお子さんは、午後8時ごろ眠りについて、午前7時~8時に起きます。昼寝を30~60分とれば、必要な12時間くらいの睡眠は確保できます。その後年を重ねるごと徐々に睡眠時間は短くなります。
そこで、眠る時間はそのままに起床時間を早くすることで、『早寝・早起き』は実現できます。
つまり幼児期より『早寝・早起き』を継続していれば、『朝型勉強法』にすんなり受け入れられます。小学校入学と同時に『朝型勉強法』を始めれば、習慣化できます。
朝型勉強法を始めさせたい親御さんへ
お子さんの目覚めに対して親御さんが起こすのではなく、自分で目覚められるように努力してほしいものです。
小学校へ入学する前から早起きの訓練を始めましょう。まず最初はお子さんの好きなゲームや録画したテレビ番組を見るなど、早起きの良さを実感させましょう。
最初から勉強に取り組ませると、早起きの習慣化は難しく思います。先ずは楽しいことから始めることで習慣化は可能になります。
勉強は習慣になってからでも遅くはありません。習慣化できてから得意科目や読書に切り替えていきましょう。朝型勉強が身に付いたら不得意科目を勉強させましょう。
中学3年生から始める朝型勉強法は、難しいと言いましたが、お子さんからの『やりたい』であれば応援してあげましょう。しかし、夜型から朝型に変えることは、簡単では、ありません。
夜型勉強から朝型勉強への変更するコツ
朝型勉強法でカギを握るのは『早寝・早起き』を習慣にできるか?です。
高校受験を目指す中学3年生が朝型に変えるのは、大変な覚悟が必要です。
早寝・早起きを習慣化するためには、早起きすることよりも早寝することが大切です。
十分な睡眠時間を確保することによって、自然と早起きはできます。
早寝のためのコツ
ベッドに入る前にスマホやタブレットの使用は避ける
スマホやタブレットの電源スイッチをOFFにして、寝室に持ち込まないようにしましょう。
眠る1時間前にはスマホやタブレットの使用は控えましょう。ブルーライトは脳を刺激して直ぐには眠ることができません。
友達や同級生からのメールやラインには返信できないことを事前に宣言することで、スマホやタブレットの使用を減らせます。
寝る前に部屋を暗くする
就寝時刻の1時間前に照明を暗くすることにより、睡眠ホルモンのメラトニンの生成が開始されます。
メラトニンにより体温がスムースに下がり、眠りにつけます。そのためメラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれます。
休みの日も継続して朝型勉強を‼️
土日や祝日など登校しない日も早寝・早起きと朝型勉強は続けましょう。翌日が休みだと、夜更かしすると、せっかく苦労して身に付けた朝型勉強習慣も台無しです。特に、早寝・早起きは継続させましょう。
幼い頃から続けている早寝は、習慣化されていて、良いのですが、夜型勉強に慣れたお子さん(学生)の朝方勉強への転換は難しいのが現状です。
お子さんが、自ら強く望む場合は、親御さんの応援で成功に導く事ができます。早めの食事、早めのお風呂、暗めの部屋など前もって眠り易い環境を整えてあげましょう!
家族で早寝早起き
親御さんからの提案で朝型勉強法を始める場合は、家族全員で朝型勉強を始めましょう。
全員で同じ行動をとることで一体感が生まれ取り組み易くなります。
家族での挑戦で、早寝早起きは成功させることが出来ます。早めのお風呂、早めの夕食を摂りましょう。家族全員で、同じ行動をとることで、2度手間が減ります。(お風呂の沸かし直してや食事の温め直し)
早起きの理由は、『お父さんと過ごす』を前面に出して、お子さんを誘いましょう。早起きが習慣になれば、お子さんは勉強を始め、お父さんは『朝活』を始めましょう。
夜型勉強では考えられなかった家族全員での朝食も実現できます。また、あわただしい出勤や登校も解消です。
例えば
例えば、お父さん、お母さん、お兄ちゃん中学生2年生、妹さん、小学5年生と小学2年生の5人家族と仮定した場合、家族全員で同じ行動を採れば良いので、ある意味簡単です。
早めの食事、早めのお風呂、暗めの部屋でリラックスそして睡眠。翌日は、子供同士で起こし合い。 お兄ちゃんは、部屋で勉強、妹さんたちは、食卓で読書orゲームを楽しむ。
お父さんは『朝活』お母さんは、ストレスなく家事全般、小学生位までのお子さんは、数年かけて『早寝・早起き』の習慣付けに重きを置きましょう。
お母さんも平穏な一日の始まりで、身も心も充実できます。
お子さんの睡眠時間を考える
米国立睡眠財団によると、このガイドラインは、「過去に発表した睡眠と健康に関する研究結果を包括的に再検証した上で、全会一致による投票を複数回行った」結果に基づき作成された。
未就学児(3~5歳):10~13時間
就学児(6~13歳):9~11時間
ティーンエージャー(14~17歳):8~10時間
米国立睡眠財団より抜粋
3歳以下の乳幼児の1日の睡眠時間の国際比較
調査によれば、日本の乳幼児の睡眠時間は調査対象の17か国・地域で最も短い※暮らしスタイル研究所より
早寝早起き朝ごはん」中高生等向け普及啓発資料及び指導者用資料
日本人の睡眠の現状
日本人の睡眠時間は理想とされる睡眠時間より非常に短く専門家からは危惧されています‼️
原因の一つは、SNSのソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の普及です。
いつでも、どこでも人とつながることができることから、勉強や寝る時間である夜や夜中まで、やってしまいます。
また使用しているスマホやタブレットのブルーライトは眠気を阻害しますので、睡眠不足となります。
日本人の睡眠改善
子供の睡眠時間は、幼稚園、小学校、中学校と徐々に短くなっていきます。
睡眠時間が短くなることは、医学・生理学的にも問題ありませんが、朝起きる時間は決まっていて、眠る時間が遅くなる傾向にあります。
これは教育制度や生活環境が大きく関係しています。
幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校など多くの教育機関が、朝8時30分前後に始まるため、睡眠時間が短くなる分、夜更かしになっていきます。
このやり方を見直して、寝る時間を一定にして、起床時間を早くすれば朝型勉強は簡単に取り入れられます。
体内時計と微調整
人間の体内時計の周期は大体24時間ですが、若干長い場合と短い場合があります。その微調整をするのが、眼から入る光です。
朝起きたら、カーテンを開け朝日を体いっぱいに浴びる理由がここにあります。そうすることで微調整が行われ、毎朝同じ時間に目覚めて、同じ時間に眠ることが出来ます。
まとめ
朝型勉強法を続けることで、学力アップは可能です。
朝型勉強は、短い時間で集中して取り組むことができるようになります。
騒音を受けることなく、勉強に集中出来て短時間で成果を上げることが可能です。
普段の勉強と入学試験と同じ時間帯であり生活リズムを変えることなく平常心で臨めます。
朝型勉強法を成功させるには、早寝できるかが鍵になります。
早めの食事、早めのお風呂、部屋は暗めにキープして、睡眠に備えましょう。
早起きは親御さんに起こしてもらうのではなく、自分自身で起きるように努力しましょう。
朝は、カーテンを開けて日光を取り入れましょう。
お子さん(お兄ちゃん)一人で朝型勉強に取り組ませないで家族で朝活しましょう。
お父さんは朝活、お子さんは読書、お兄ちゃんは勉強それぞれ頑張りましょう。
セロトニンは、早寝早起きに大切なホルモンです。日光浴や運動、食事で増やすことができます。
セロトニンによる効果は、夜型勉強より朝型勉強が有効です。
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