アクティブ リスニングは『傾聴姿勢』のことで日本語で『積極的傾聴』と訳されます。
- お子さんの話に直ぐ反論してしまう方
- お子さんとの会話が上手くいかない方
- お子さんとコミュニケーションをとりたい方
- アクティブリスニングを知りたい方
従来のお子さんとの会話
お子さんが『話があるんだけど』と言ってきたら、あなたはどうしますか?
お子さんからの意見や悩みに対して聞くだけで終わらず、意見やアドバイスをしてしまうのが親御さんです。
何を意識して話しますか?会話で心がけることは1つ、『子どもの話を聞く』この1点に尽きます。
『どんな形でも良いから聞けばよい』というものではありません。家事をしながらお子さんの話を聞くことはよくありません。ましてやスマホを見ながらの会話は言語同断です。
強い言い方ですが、お子さんは、親御さんのスマホ姿を見て、『僕の話を真剣に聞いてくれない!』『私なんかどうなってもいいんだ!』と思ってしまいます。
お子さんの親御さんに対する信頼はなくなってしまいます。一度無くした信頼を取り戻すことは大変です。
アクティブリスニングとは
お子さんの話を聞く姿勢として正しいとされているのが、アクティブリスニングです。
アクティブリスニングとはコミュニケーション技法の一つであり、来談者中心療法で認知度を上げたアメリカの臨床心理学者カール・ロジャースが提唱した傾聴姿勢のことです。アクティブリスニングは日本では積極的傾聴と訳され、カウンセリングの際に用いられるコミュニケーション技法の一つとして活用されていました。しかし、現在ではビジネスの場で活用する取り組みが進められています。
子育てにおけるアクティブリスニング
アドバイスや意見をお子さんに伝えたいのが親御さんの性ですが、それを我慢して聞く事に徹することがアクティブリスニング(積極的傾聴)です。
その行為(アクティブリスニング:積極的傾聴)がお子さんの心を和ませます。
非言語的コミュニケーション
コミュニケーションには、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションがあります。
言語的コミュニケーションには、話す言葉の内容、手話、筆談などがあります。
非言語的コミュニケ ーションには、体の姿勢、服装、髪型、身振り、手振り、表情、視線、相手との距離などがあります。
話をする時の姿勢や仕草を非言語コミュニケーションと言いますが、相手に思いが伝わるかどうかは、この非言語的コミュニケーションの役割が大きく、大半(9割以上)とされます❗
アクティブリスニングは、お子さんの正面に座り、顔を見て話を聴きましょう。子供さんの話にうなずきや相づちを打つことで『話を聞いてもらってる』と感じます。また、言葉を繰り返すことでも効果はあります。
大人同士と違い親子の傾聴の場合、親御さんが自分の考えを押し付ける傾向にあります。親子ではなく対等な目線で話を聴きましょう。
アクティブリスニングの基本
子どもの対話に対して、先入観を無くしてゼロの状態で話を聞いてあげましょう。(共感)
話の良し悪しに関係なく、ありのままを受け入れて、評価はしないようにしましょう。(受容)
肯定的に受け止めましょう。否定しないことがもっとも大切です。(肯定)
アクティブリスニングに徹することで、話し手であるお子さんは『自分の話を真剣に聞いてくれている』『自分の話や話し方に対する批判がない』こう感じるだけでお子さんの頭の中は『自分の存在を認めて貰ってる』と安心感でいっぱいです。
その安心感からお子さんは話しやすく、受け入れやすくなります。親に受け止めてもらってるという感情から素直になって話を続けられます。
まとまっていない話も徐々に整理がつきます。取り乱していた最初と違い、落ち着きを取り戻し自ら反省できる心の状態になれます。
傾聴がうまく行けば、お子さんとの信頼は築かれ、話の内容に関係なく解決を見ることがあります。
アクティブリスニングの一例
息子と友人は子供の頃からの友達で、小学校、中学校と同じ学校で一番仲がいい親友。
高校受験を1年後に控えた息子の成績が下がったせいで、息子は部活を休んでしまった。友人と約束していたが、部活に行く気にはなれなかった。
友達A「昨日の部活、何で休んだんだよ」
息子「………」
友達A「お前を待っていたんだよ。なんか言えよ」
息子「うるさいいな~」「なんだよ痛いよ。」
友達A「今日はお前らしくないよどうしたんだ?」
息子「手を離せよ‼」
友達A「なぜ教えてくれないんだ」
息子「ほっといてくれ」
友達A「いや離さない、理由を言うまで離さない」
息子は離さない友人Aの手を払った。その手が友人Aの顔に当たり出血してしまった。
友達A「痛い、痛い」息子「………」
今回の友人とのやり取りに対して親御さんと話し合いを行った。
会話の最初
息子「あいつが最初に手を出してきたんだ」「俺は離さない手を振りほどいただけだ」
息子「俺は何もしてないんだ」「なぜ、こんなに非難されるんだ❢」
(親御さんは話を真剣に聞くだけです。共感し、受け入れ、否定しない)
息子「………………」
息子「………」
息子「……」
息子「……………………」
息子「…」
会話の終盤
両親にケンカについて否定されなかったことで、冷静さを取り戻した。
息子「僕も無視して悪かったかな~」「あんなに心配してくれたのに?」
お友だちとのけんかに対して一方的に相手を非難していた子どもが、『自分も悪かった』と非を認めることも良くあります。
親御さんの聞く姿勢や向き合う真摯な態度に親の愛情と信頼から『親に迷惑はかけられない』との思いから出る言葉でしょう。
学校では、非難された僕を両親は全く悪く言わない。怒ってる態度でもなく、僕の話を聞いてくれている。『うれしい』反発心が薄れ、冷静な自分に戻れる。
冷静な自分に戻って考えれば、『先に手を出したのは、あいつしかし俺のためを思ってくれている。する気が無くても手が当たったのは事実、出血したのも事実、謝るのは、当然』
まとめ
親御さんが、お子さんから話があると言われたら、先ず話を聞きましょう。その話に対しての意見や反論をしてはいけません。
お子さんの話を聞く態度は、お子さんと向き合い、スマホは机において、相づちやうなずきを入れてください。
否定的な言葉は使わないで肯定的に受け止めましょう。
お子さんが親御さんに『話を聞いてもらっている』と感じることが大切です。
お子さんは話をしながら、冷静さを取り戻し考えをまとめられます。また、自ら反省をすることもあります。