過去の日本の教え
多くの日本人は『人に迷惑をかけないように』と教えられて育ちました。他人に迷惑かけないことは良い教えだと信じて生活をしてきました。しかし、この教えは積極的な行動ではなく、自分の行動が制限される消極的な教えです。
『他人や相手を助けるや相手のために何かしてあげる』など積極的に何かをする行動にはつながりません。
外国では『人が喜ぶことをしなさい』と教えるそうです。この積極的な行動が人とのつながりを拡げます。
日本の教えは、マイナス思考で、外国の教えはプラス思考です。
『あの人のために何がしてあげられるか?』と考えた場合、相手をよく観察して、相手が望んでいることを考えることで、何をすればよいか解りますが、相手を見ないで、相手に関心を示さない日本の教えでは、人の役には立てません。
親御さんにお願いです。『人に迷惑を掛けないように』は最低限の教えとして、その先の『人が喜ぶことをしなさい』を教えましょう。人とつながれる、積極性を教えましょう。
グローバル社会に向けた成長は、親の役目
人間には、元来『人の役に立ちたい』『人に優しくしたい』という心が備わっています。それを遮るのが、自信のなさや低い自己肯定感です。
実力があっても『こんな俺が・こんな私が』と自信が持てない、低い自己肯定感の持ち主は一歩踏み出すことができません。
その一歩は、親御さんの子育てで教え、体験させることです。
日常生活でお子さんに、人との関わり方や話し方を教えましょう。言葉ではなく態度で示すことが大切です。
学校の道徳で教わることですが、実際に親御さんがお年寄りや外国人の方を手助けする行為を躊躇なく受け入れるお子さんになることができます。
人の役に立つ喜びを知るために7つのポイント
1,コミュニケーション力を身に付けさせる。
毎日のあいさつを心がけましょう。朝起きたら『おはよう』寝るときには『おやすみ』など親御さんとのあいさつから始まります。
散歩に出かけたら、 近所の方ともあいさつしましょう。お子さんも真似てくれます。くり返すことで、お子さんも自信を付けて、自然に身に付けることが出来ます。
親子で会話する時間を作ることも大切です。家族みんなでお話する機会を設けましょう。
『夏休みはどのように過ごしたい?』など1つのテーマについて話し合うことも良い方法です。
またお子さんの話はしっかり聞き『うなずき』『相づち』を打つなどして、話しやすい環境を作りましょう。
2,お手伝いで身に付けさせる。
お母さんの手伝いをすることで、大きな喜びを得ることができます。
お子さんは親御さんの真似をしながら手伝いを覚え、親御さんの嬉しそうな顔を見て自分も嬉しくなります。
その上、親御さんの『ありがとう』の声かけに大きな喜びを感じ、繰り返すことで真の喜びを覚えます。
また、おじいちゃん、おばあちゃんのお手伝いをすることで、お年寄りを大切にする心や優しさの大切さを知ります。
最初は親御さんたちの『ありがとう。助かったわ』と言ってほしくて、頑張りますが、それはあくまで通過点です。
人と人とのつながりを覚え、物怖じしない子供に育ちます。
3,動物・植物の世話で身に付けさせる。
命ある植物や動物の世話をすることは、責任感を養うことが出来るとともに、優しさを身に付けることができます。
花壇や飼育小屋の整理整頓からお花への水やりと観察、動物への餌やりと健康状態のチェックなどで、生命の尊さや大切さに気付くことができます。
短期間では結果が出ませんが、続けることで、『目に見える結果』を得ることが出来ます。
4,高い自己肯定感を身に付けさせる。
世界では、日本人の『奥ゆかしい』や『慎み深い』など、一歩引いた態度『謙遜文化』が称賛を浴びていますが、人との関わりや自己肯定感に関しては、『ダメな文化』です。
人との関わりを持つことが苦手で、話しかけることも躊躇してしまうそれが日本人です。
高い自己肯定感で自信が身に付ければ、困っている人や迷っている人に積極的に声をかけることができます。
先ずは、子供さんが自分にそして、自分の行動に自信を持つことです。(自己肯定感を高める)
5,親が人に役立つ、手本を見せる
『誰に対しても優しくしましょうね』と何度言ってもお子さんにはピンときません。どんなことなのか理解できないからです。
それより、日常生活の中で、親御さんが繰り返し手本を見せることが大切です。
お子さんとの散歩中に、困ってそうなお年寄りに『どうかしましたか?』と声をかけてあげることやお年寄りのお手伝いをすることでお子さんも『お手伝い』の必要性を感じてくれます。
お子さんは、相手の表情や話声、態度で、声かけの大切さを実感します。
お家の中でも外でもお子さんに『優しさ』を感じてもらうことです。人に優しくすることは、特別なことじゃなく、当たり前の行動だと受け入れてもらいましょう。
トピック
『ゴミを拾う』大谷翔平選手が話題になっています。さりげない態度が共感をよんでいます。当たり前のことをあたり前にやれるようにしたいものです。
6,読書や読み聞かせで、優しさの擬似体験を得る。
絵本の読み聞かせや子供自身による読書でも、思いやりを育むことは出来ます。読書で擬似体験ができます。
物語の中でお年寄りに寄り添う主人公や動物に優しく接する子供さんが出てくればしぜんと物語を受け入れ、優しさが体験できます。
また、主人公に共感し、何回もくり返して読むことやお母さんと物語について話しをして『人の役に立つ』喜びを知ります。
7,仲の良い両親をみて、しあわせを感じてもらう。
お子さんにとって最も大切な両親が仲良く、信頼できる二人であったら、お子さんは幸せです。
お互いを尊敬しあい、二人で自分に接してくれたらお子さんも最高です。親御さんはけしてパートナーの悪口をお子さんの前では言ってはいけません。
仲のいい親御さんに包まれているお子さんは、誰に対しても優しくなれます。自らの幸福感を基礎に、その優しさは、外に向けられるようになります。
私の意見
人は『ありがとう』と言ってほしいために優しくしているのではなく、喜んでほしいために優しくします。
自分が受けたやさしさに対しては、素直に『ありがとう』と言える子供に育てたい。
最後に
親御さん自身が自らの自己肯定感を高め、お子さんの自己肯定感が高まるよう努力しましょう。
親御さんが態度で示すことが重要です。言葉による教えも大切ですが、親御さんの背中を見ることで心に響かせることができます。
本文では、人に優しくなれる7つの方法を提案しています。