子どもが自分一人で出来るようになれば本物『早くして』と言わない両親は、一人で出来る子供を作る。
- 1人で出来る子供に育てたい方
- 待てる親になりたい方
- やればできる子供に育てたい方
- 急がしてはいけない訳を知りたい方
子育ての現状 『早くして!』『急いで!』はいつもの言葉
子育て中のお母さんやお父さんにとっては、何回も使う言葉に『早くして』や『急いで!』などがあります。
あまり使いたくない言葉ですが、口癖になっていませんか。
その他にも『早く早く』 『グズグズしないで』『何してるの!』など挙げればきりがないほど使ってしまう急がせる言葉があります。
親御さんにとっては、朝、出勤前の猫の手も借りたい時間帯に、テキパキ動かない子供にはイライラしますよね。
ある調べによるとお母さんは一日になんと30回以上も使っているようです。
決して良い言葉ではないことは判っていても、イライラしたお母さんには止められない言葉です。
子どもの行動には意味がある
『早くしなさい』と言われた子どもは、故意にゆっくりしているのではなく、そのスピードでなければ動けないのが現実です。
生まれてから数年、何をやるにしても初めての事ばかりで戸惑ってします。
そして直ぐ寄り道をしてしまいます。
子供の頭の中では、こんなやり取りが頻繁に起こります。
お母さんはこうしなさいと言うけど、このやり方はどうかな?反対はどうかな?いやいや、こっちにしよう❗
その無駄とも思える行動も発達には大切な意味があります。
大人の場合、順序良く物事をこなしていきますが、子どもの場合そうはいきません。
子どもの頭の中ではいろいろな思いが浮かんできては立ち止まったりします。
その態度に対して、親御さんの口調も強くなり怒鳴ることにもつながります。
また勉強や習い事に対しても同様なことが起きます。
学校で習った計算問題や漢字書き取りなど『やってみて!』と言われても、一度や二度では身に付くものではありません。
一生懸命考え、答えを出しているお子さんに対して、『〇〇でしょ。』と親御さんが先に答えを出してしまいます。
私はこんな場面に遭遇することがありました。
病院の問診の際に、ケガした子供さんが状況説明を始めると、イライラしたお母さんがお子さんの言葉を遮って全て自分で説明してしまいます。
これでは、説明しようと頑張ってるお子さんは黙ってしまい、萎縮につながります。
急がせる言葉や親が先回りすることの弊害
急がせる言葉や親が先回りしてやってしまうことは、子どもの成長の芽を積んでしまっている恐れがあります。
子どもに芽生えた好奇心や意欲を奪ってしまうことにもつながります。
もう少し待ってあげたら、答えられたかもしれません。
それをきっかけに『やればできる』と感じることができるかもしれません。
お母さんの『早くしなさい』が、子どもが変わるチャンスを奪っています。
子供のイライラの原因にもなります。
まして現在の子供に与える影響や将来の子供の意欲や自己肯定感、自己効力感の少ない大人を作ってしまうことになります。
待てる親御さんであれば、子供のストレスも減り、やればできると思うようになります。
そんなやればできる子供にするにはどうすればよいのでしょうか?
子供に『やればできる』ことを知ってもらい、実感してもらうことが大切です。
先ず、親御さんは、急がせる言葉や先回りはやめましょう。
急がせる生活を変える
最初に、『早くして』や『急いで』など急がす言葉を言わなくても済むような体制を整える。
- 時間に余裕を持って物事に当たるようにしましょう。
- 子供ができる範囲を見極め、子供に達成感を感じてもらう。
- 『急いで』や『早く』など単語だけでなく、詳しく理由を伝える。
- 『急いで』や『早く』は抱っこや手をつないで言いましょう。
①、子供の寝起きが良くない場合はもう少し早めに起こしたり、早めに寝かしたりしましょう。
食事に時間がかかるようなら早めに朝食を始めましょう。そうすることで『早くして』や『急いで』を言う機会も減ります。
家族で『朝活』を始めたら子供へのイライラも無くなります。
②、子供がおもちゃや本を片付けない場合、『片付けなさい』の前に簡単に片付けが終わる様に事前に少し片付けておきましょう。
そして子供が片付け終わったら、ほめてあげましょう。結果だけでなく片付けを観察して過程をほめましょう。
そうすることで子どもは『やればできる』達成感と充実感そして愛されている幸福感を感じます。
⓷、『急いで』や『早くして』『何してるの』などの急がせる単語だけの使用はやめましょう。
急いでほしい場合はその理由を詳しく述べて、子供に理解を得ましょう。
例えば『ごめんね。お母さんね。これから病院の先生に会って話を聞かなきゃいけないんだ。あと10分しかないので、後からでもいいかな?』など子供が納得してくれるように話しましょう。
④、イライラが積もってきたら、グッとこらえて、笑顔を作ったり、目を瞑って心を落ち着かせましょう。
どうしても言わなければならない場合は、抱っこや手をつないで叱りましょう。
自然と叱り声は小さくなり、子供に与えるダメージも小さくなります。
『アンガー マネジメント』
感情的に子どもを怒って(叱って)しまう事の多いお母さんは、怒りをコントロールすることが大切です。
その怒りをコントロールする方法を『アンガーコントロールマネジメント』と言います。
『アンガーコントロールマネジメント』とは、文字通り怒りをコントロールする方法です。
衝動的な言動や行動を抑え正しい方法に導くものです。
そのなかに子供に対してのイライラや怒りを抑えるヒントがあります。
心を落ち着かせる『6秒ルール』
『早くして』や『急いで』などの急がせる言葉を言いたくなったら、6秒間待ちましょう。
人間は6秒間待てれば衝動的な怒りは収まると言われます。これを『6秒ルール』と言います。
6秒間ジーと待つのではなく、落ち着く行動をとったり、落ち着く言葉を発したりすることで、より落ち着くことが出来ます。
その6秒間を使って上手に気を静める方法を次に示します。
『作り笑顔を繰り返す』『深呼吸を繰り返す』『赤ちゃん時代の写真を観る』など自分が落ち着ける行動を事前に考え、必要なものは持ち歩きましょう。
『コーピングマントラ』
『コーピングマントラ』という方法があります。
直訳すると『呪文を使って切り抜ける』ことを言います。
あなたが落ち着けそうな言葉を唱えます。
カッ!としてから言葉を考えるのはチョット難しいので、呪文は事前にいくつか考えておきましょう。
自分に合った呪文を作りましょう。
『落ち着け、落ち着け』『夜はビールいっぱい飲むぞ❗』『私は気長、私は気長』など頭のなかで唱えましょう。呪文ですからつぶやいてもいいですよ。
上記を試して平常心に戻れれば自然と優しい言葉に変わります。
お母さんも何回も繰り返し行うことで、身につけることが出来ます。
最後に
怒鳴ることや焦らす言葉以外に、先回りして済ませてしまう行為も子供のやる気を削いでしまいます。
子どもは、お母さんの言うことは聞かない。好きなことを勝手にする。やってほしいことはやらない。やってくれても遅い。自分のことができない。
それが子どもだと認識を変えれば、腹立つ度合いも減ります。
腹が立ったら、6秒ルールとコーピング マントラを使って乗りきりましょう。
待てる親になることで、やればできる子を育てることができます。
子どもは、自分の世界を持ち、時間を掛けることによりできるようになります。