子育ての中には、子供一人で取り組むより兄弟やお友達といっしょのほうが成果を出しやすいスキルが多くあります。
ひとりっ子の親子が不得意とするスキルについて説明すると共に打開策について報告します。
思いやる心に欠ける
思いやりとは、
「相手の立場に立って考え、相手の気持ちを大事にする」ことです。
思いやる時とは、相手が平常時よりマイナスの状態の時です。
お子さんに『思いやりの心』を付けたいとお考えのお母さんは多いと思いますが、ひとりっ子の家庭ではどうでしょうか?
おうちの中に限定した話ですが、兄弟(姉妹)のいるお子さんは、相手の立場に立って考えることができる環境ですが、ひとりっ子の場合、そうはいきません。
身近にいる相手は親御さんですが、親御さんに感謝の気持ちはあっても、思いやる機会は多くありません。
あるとすれば、お母さんの毎日の忙しさで疲れた時や体調を崩した時だけでしょう。こう考えると『思いやりの心』は家族だけでは難しいかもしれません。
コミュニケーション力に欠ける
幼い頃のひとりっ子がコミュニケーションを取る相手は親御さんに限定されます。
親御さんの積極的な話しかけや子供と話す機会を多く設けなければ、コミュニケーション術は磨かれません。
その点兄弟のいる子供はコミュニケーションをとる機会が多く恵まれています。子供たちの話し合いや言い争い、喧嘩などひとりっ子にとっては、うらやましいことばかりです。
(競争心・協調性を養う)機会が少ない
- ひとりっ子は協調性に欠けるとか競争心が欠けると言われますが、子供は3歳頃からようやく他の子供を意識し始めます。それまでは自分と他人の意識はありません。
- どの家庭も最初の子供はひとりっ子と同じ環境であり、ひとりっ子が『協調性』や『競争心』に欠けることはありません。
- お子さんの協調性が芽生え始めるのは5歳過ぎた頃からです。よって小さなお子さんに協調性を説いてもお子さんは解ってくれません。
兄弟や姉妹がいたほうが競争心や協調性は生まれます。お兄ちゃんと競争したり、姉ちゃんと一緒になって料理を作ったりすれば、競争心や協調性は養われます。
小さな頃からお子さんに見せる(競争・協調)
協調性は5歳頃からですが、小さな頃から、大人同士が笑顔で仲良くしているところをお子さんに見せることで自然に協調を感じます。
夫婦はもちろん祖父母と仲良くすることやお隣さんやママ友と仲良くしている姿をみせましょう。
特にお子さんが仲良くしているお友達のお母さんであれば、お子さんにも感じることがあるでしょう。
影での悪口もいけません。笑顔で仲良くすることでお子さんは協調性を覚えます。
家庭でできる協調性・競争心の芽生え
自宅での遊びやゲームで協調性を養うことができます。積み木などを使って二人で協力しながら作りあげたり、競ったりしましょう。お子さんが勝ったり、負けたりすることで長続きできます。
自立心に欠ける理由
自立心に関しては、兄弟がいる、いないに関係がありません。親御さんの子育ての仕方や大変さ、親御さんの行動に関係があるようです。
お母さんの仕事量によって違う
親御さんの考え方や子供の数によって自立心を獲得できるかどうかは違ってきます。
お子さんのイヤイヤ期が済んで自立心が芽生え始める頃、お母さんが出産をむかえたり、他のお子さんに手がかかるようであれば、自然とその子の世話がおろそかになります。
しかし、その『おろそか』がお子さんの自立を妨げない『見守り』が成立します。
忙しいお母さんには、先回り行動がありません。よってお子さんは、自分でやることが多くなります。
例えば、自分でお着替えをする。ボタンを止める。疲れても独りで歩ききる。自分で進んで歯みがきをする。など積極的に経験を積み一人で出来るようになります。
もう一つ、親御さんが『見守り』に徹することが出来るかにかかります。
ひとりっ子の場合お母さんの愛情はお子さん一人に注がれます。お母さんは我が子のためとの思いから、せっせせっせと先回りしてやってしまいます。
その行動はお子さんの貴重な経験の場を奪っています。
親御さんが全てやってくれるので、お子さん自分では出来なくても何も不満はありません。
こんな生活が何年も続くと、お子さんは、学校生活などで一人になった時、自分でやったことがないため、手が出せません。
自立が遅れたり、出来なかったりで劣等感に陥ったり、引きこもったりします。
ひとりっ子は自立心に欠けているわけではない。親御さんのやり方で上手に『見守り』を入れることで自立心が養われる。あくまでも親御さんの間違った愛情がこのようなことを起こします。
お友達を作って仲良く遊ぶ
そんなひとりっ子がひとりっ子をカバーするのが子供同士のふれあいです。
コロナ禍で難しいことですが、積極的に外出して多くのお友達と関わることが大切です。公園デビューもその一つです。
もうひとつが幼稚園や保育園に通わせることです。通常より早く通わせましょう。
砂場や遊具で遊ぶうちに仲の良い友だちも出来ます。独りで来ている親子は、友だちを見つけに来ている可能性があります。声をかけてみましょう。
ここ数年コロナにより公園や広場などでの接触は制限されていましたが、ここへ来て外での密集の恐れがない場所では、マスクを外しても良いのではないか?とまで戻ってきました。
もう少し改善されれば、公園での子供たちのふれあいが可能になります。
ひとりっ子にとっては待ちに待った時間です。子供同士が仲良くふれあうことでおうちでは出来なかったスキルを伸ばすことができます。
一人っ子でも競争力や協調性を磨く方法
競争力や協調性は習い事や公園での遊びで学ばせましょう。お子さんに言葉で教えようとしても理解は難しいことです。
習い事であればラグビーやサッカー、野球などの団体競技が協調性を育てるのに有効です。また、競争心もスポーツのポジションを決める段階で育てることが出来ます。
先ずは一緒に同じ方向を見て努力することで協調性を養いましょう。
試合に勝てばいっしょに喜び、負ければいっしょに悔しがる。いっしょに感じることが大事です。
まとめ
ひとりっ子は兄弟がいないことから、人との関わりは少なくなっています。特に幼い時期は話をする相手は両親が中心となります。
人への思いやりやコミュニケーション、協調性、競争力など人との関わりを学ぶには、人との関わりを経験することが重要になります。
多くの子供との関わりを増やすには、公園や子供会などを利用しましょう。また早めに幼稚園や保育園に通わせるのも一案です。