公園で、子供がブランコのまえに並んで、自分の順番が来るのを待っている。
そんな子供たちの姿を見て『うちの子、並んで待っていられるかな~、家では全く守れないのにだいじょうぶかな?』これがお母さん方の偽らざる気持ちです。
『待てる子・我慢できる子』に育てたい。
『社会の中で友達や同僚と仲良くやっていけるのか心配で仕方ない』と心配されるお母さんも多いようです。
そんなお母さん方の心配を吹き飛ばすために『待てる』『我慢できる』子供に育てる方法を説明します。
普段の生活では幼い子供に寄り添う。
普段の生活では、幼いお子さんの思い通りにさせてあげましょう。お子さんが自ら手を出すことはさせてあげましょう。子供は、『知りたがりのやりたがり』です。
幼いお子さんのやりたがりは、自制することが出来ません。このやりたがりを止めることはストレスが溜まります。この頃のお子さんには、我慢や自制する脳の力はありません。
よって『待たせる』『我慢させる』の練習は極力少なくしましょう。幼い子供に必要なことは、親御さんとの信頼関係です。
信頼関係さえ出来ていれば、脳の成長と共に親御さんの言葉を理解して、やりたがる気持ちを抑え、待ったり、我慢したりが自然と出来るようになります。
また、実際に待たせる時、我慢させる時は、ぶれないようにしましょう。お子さんの涙や泣き顔に負けて、意見を変えるようでは、お子さんに誤解を与えてしまいます。
日常の中で練習させましょう。ダメな時も共感して、出来たら褒める。
時々、訓練のために、待たせる体験や我慢させる体験をさせましょう。待つ時間も徐々に増やしていきましょう。
『待たせる』『我慢させる』を練習することは良いことですが、やりすぎると逆効果ですので注意しましょう。
待たせたり、我慢させた場合は、『直ぐやりたかったね』、『飛行機で遊びたかったんだね』などお子さんの思いに寄り添いましょう。
また、待てたり、我慢できた場合は、褒めてあげましょう。『良く待てたね』『良く我慢できたね』この一言が嬉しいものです。
4歳児以上では、理由も伝える。
4歳以上の子供には『待ってね』『我慢してね』と言うだけでなく、理由も優しく伝えましょう。
『お友だちが使ってるから、もう少し待とうね』『ブランコ、みんなが並んで待っているから、並んで待とうね』など理由もいっしょに伝えましょう。
4歳を過ぎれば、自分中心から他の人の存在が気になってきますから、親御さんの待ってねや我慢してねの理由も徐々に解り始めます。
生活の中でゲームや遊びで教える。
家族で遊ぶおもちゃやゲームで順番があることを教えましょう。待つことや我慢することを教えることと『順番』があることを教えましょう。
お父さん、お母さん、お兄ちゃんと順に行うゲームで教えます。『今度◯◯ちゃんの番だよ』など順番があること、順番まで待つことを体験させましょう。
言葉で教えなくてもゲームには順番はつきものです。順番を守らせ楽しむことが大切です。時々負けてあげることも忘れないでください。
実際に遊園地や動物園で並んでみる。
お子さんの好きな遊園地や動物園で並んで、入場待ちをしてみましょう。
親御さんと一緒に待ちますので、問題なく待つことができます。はやる気持ちを抑えて待てると思います。
遊園地の乗り物でも待つことになりますが、自分の選んだ乗り物なら、駄々をこねることなく待てるでしょう。何回も並ぶことで、並ぶ意味、待つ理由も覚えます。
家族で約束事を作る。
お子さんを交えた話し合いで、約束事を決めましょう。『待つ・我慢』が身に付く約束事にしましょう。先ずは簡単なことから始めましょう。『靴は揃える』や『帰ったら手を洗う』など、徐々に、難しい約束事を決めましょう。
お手伝いをさせる。
お手伝いも『待つ・我慢』を学ぶメソッドとなります。お母さんの手伝いから始め、徐々に独りでする手伝いで責任をもたせましょう。出来たら褒めてあげましょう。
仕事を任せてもらった嬉しさと責任を感じ、褒めてもらうことで、やりたくない時も、しっかりやり抜きます。
お手伝いがうまくいかなくても、気長に待ちましょう。今度は親御さんが待つ番です。
読み聞かせや読書で、教える。
読み聞かせや読書でお子さんに『待つこと』『我慢すること』の大切さ、意味、などを教えましょう。
本を読みながら『順番を間違えた男の子と代ってあげた女の子の気持ちはどんなんだろう?』と登場人物の男の子と女の子になりきって、二人の心の動きを話したり、理解しようとすることで、待つことや我慢することの意味や大切さを知ることができます。
読み聞かせでは、それとなく伝えることが大切です。しっかり教えると読み聞かせが嫌いになる恐れがあります。また説教じみた本では読書も嫌いになります。
『待つこと』『我慢すること』でこんないい事もある。
『待つこと』『我慢すること』は相手の思いを汲んであげることであり、仲間を思いやることでもあります。その場を和ませスムーズにさせる能力を得ることにもなります。
待てる・我慢できる人間は、将来も賢く生活できる。
マシュマロテストでも証明されましたが、子供の頃に『待つこと』『我慢すること』を覚えたお子さんは、年を重ねても『待つこと』『我慢すること』を苦にしません。子供の頃、得た能力は将来まで引き継がれます。
『待つこと』や『我慢すること』が出来た子供たちは、アメリカ進学希望テストでは点数が高く、その後もお金に困らない生活を送ったそうです。
『待てる』『我慢できる』人であれば、対人関係はうまくいきます。また、優れたコミュニケーション力と自己管理能力があれば、事業の成功も間違いありません。
高校受験や大学受験に備えて自己管理できる。
『待つこと』『我慢すること』を身に付けることは、受験勉強する時にも大いに役立ちます。スマホが手放せない状態では、集中力を欠き、成績アップは望めません。
スマホに限らず自分が将来のために、何を我慢して何をすべきかわかってる学生が受験にも成功します。
『勉強は辛いけど、将来自分がやりたい仕事に就くためには我慢する』学生と『勉強はつまらないから、今を楽しく過ごしたい』この2者には大きな差が生まれます。
受験日までの計画を立て、健康管理のために食事や睡眠をしっかりとるなど自分をコントロールできる学生がより良い受験ができます。
将来の健康のためにも‼️
自分をコントロールすることは、健康にも大きく関わります。若いうちに少々はめを外しても大事には至りませんが、それが続いたり歳を重ねると身体に悪影響がでます。
食べたいものを食べ、飲みたいものを飲み、時間に関係なく好き放題をしていれば、間違いなく体を壊します。
肥満やアルコール依存にならないよう、若い頃から欲求をコントロールできれば、健康な体を保てます。
マシュマロ テストの紹介
40年以上前にスタンフォード大学で行われた有名な心理学者がマシュマロテストをしたそうです。テスト内容は、186人の4歳の子供たちが1人ずつ個室で、マシュマロを1つ置いた机の前に座り、子供にこう伝えた。
『私はこの部屋を出るが、食べるのを我慢できたらもう1つあげるよ。しかし、それを食べたら2つ目はない。私は15分したら戻ってくる。』
ウィキペディアより
マシュマロテストの結果
3分の2の子供は食べて、3分の1の子供は食べずに待っていた。その18年後に追跡調査が行われ、4歳の時の自制心の傾向は14年後も同様で、食べた子供よりも、食べなかった子供の方がSAT(Scholastic Aptitude Test:大学適性試験)の成績が優秀であった。
ウィキペディアより
彼らが45歳のときに、さらなる追跡調査が行われ、この傾向がずっと続いていることまでわかった。また、お金に困るようなことは無かったそうです。
まとめ
『待つこと』『我慢すること』は、子供の頃に身に付けさせたい能力であり、学生時代や社会生活においてもその恩恵は十分に大きなものである。我が子には獲得してほしい能力と考える親御さんも多いはずです。
4歳になったら、練習(待つこと、我慢すること)する理由も伝えましょう。
『待つこと』『我慢すること』を覚えれば、受験勉強に役立つ。社会人になっても友達や同僚と仲良く付き合うことが出来る。また自分の健康管理もできる。