ほめ方と叱り方
子育ての根底には『子供を認める』があることは忘れないでください。
ほめる時も叱るときも人格や能力ではなく、子どもの努力や経過に目を向け、その子の具体的な行動に対して声をかけることが重要です。(プロセスほめ)
子どもが上手にできた結果をほめるより途中経過をほめることが大切です。上手にできなかった場合でも過程をほめる事は出来ますので成功・不成功に関わらず、ほめることが出来ます。
叱って伸ばすと簡単に言いますが、『叱って伸ばす』は高等技術を要します。叱るというより共感に近い状態で、出来るようにするためにはどうしたらよいかをお子さんと考えましょう。(叱りプロセス)
お子さんを叱る前に『お子さんに共感する』そしてどこが良くないかを伝える。
子育て方法には、色々なやり方があります。『ほめて伸ばす』『叱って伸ばす』『ほめる・叱るの使い分け』と言われます。
叱って伸ばす基本は、先ず、お子さんに共感して、叱る理由を必ずお子さんに伝える必要があります。
またどうしたらよいか改善策を話し合いましょう。叱るで終えるのはやめましょう。
生まれてから12歳までの子育てを考えた場合、乳児はほめて伸ばす、幼児以降は叱って伸ばす・ほめて伸ばすの使い分けが必要と考えます。
子育ての方法
1歳~4歳くらい
1歳半を過ぎると子供の『イヤイヤ』が増えてきます。このイヤイヤが急に多くなる頃が自我の目覚めです。
この時期になると『何でも触ってみたい』『何でも自分でやりたい』という気持ちが強くなってきます。危ないことは除いて何でもやらせましょう。
出来ないと、ついつい手伝ってしまいますが、グッとこらえて見守りましょう。
この頃の子どもは何でもやってみたいのですが、上手くいくことはありませんが、出来たことをほめましょう。この頃はほめることが大事です。(プロセスほめ)
叱ることや止めることはしないで、ほめる事に集中しましょうそれが子どもの伸ばす方法です。
たとえば、
子供の嫌いな食べ物を食べさせる場合は、細かく切ってほかの食材と混ぜて食べさせたり、味を変えて食べさせたり、お母さんはいろいろ努力します。嫌な物を食べたときは褒めてあげたりします。
子どもが嫌がることでも考え方を変えて、食べ物でそうしたように、挑戦させてみてください。
この頃はまずは『ほめる』です。何でも褒めるといっても良いのではないでしょうか。途中でやめても『そこまで出来た』ことを褒めてあげましょう。
ほめることで起きるメリット
ほめることで子供はどのように変われるのでしょうか?
1,子どもをほめれば自己肯定感(自分のことを自分で価値があると思えること)が高まります。親御さんにほめられてうれしいのはもちろん、自分を見守ってくれていると感じたりこの場所にいてよいのだと思えるようになります。
2,子どもはほめられたことで、もっとやってみようという思いが増してきます。うまくいった成功体験が膨らみ、もっとやってみようと思います。ほめる方法は成功した結果ではなく、過程についてもほめましょう。
3,ほめることで『僕(私)、できるんだ』と自己肯定感が増すとともに、自分一人でやってみようと思うようになります。
小さい頃はまず最初はほめることから始めることが大切です。年を重ねるごとにほめるだけでなく子供の意見を聞きながら、叱ることも増やしていきましょう。
叱るとは、お子さんに共感しながら良くないことを伝え、改善策を考える。
5歳くらい~
5歳-6歳を過ぎると子供自身が自分の考えで行動するようになります。
子供の意見に対して否定したり、大人が手伝うことはやめましょう。まず最初に全て子供に任せましょう。
この頃は自分で考えることが出来ますので、筋道を立てて説明しましょう。
頭の中では良し悪しが解っていますが、なかなか行動が伴いません。両親はていねいに言い聞かせ、優しい見守りも必要です。
この頃からは 『ほめて伸ばす』と『叱って伸ばす』のバランスを考えるより注意が必要です。叱る前には必ずほめることも大事です。
特に『中途半端』になりがちなお子さんについては、成功体験ができるよう出来たところまでをほめましょう。
『叱って伸ばす』と書きましたが、叱り方にも上手な叱り方があります。最初に否定的な言葉を投げかけるのはやめましょう。『何をしたかったのかな?』と子供に寄り添う言葉(共感)をかけましょう。
また、叱る言葉も人間に対する批判や性格、能力、行った結果に対する批判を避けましょう。ほめると同様にプロセス(過程)についての言葉にしましょう。
『やってはいけない』とだけ言われても、子どもには理解できないことがあります。
子どもにはいけないことを理解させることが大切です。
例えば、『病院では、走ってはダメ!』というだけでなく、『病院には、お年寄りや体の調子が悪い患者さんがいるので、ぶつかったりすると、大変だから走らないでね。』
こうすれば子供さんも解ってくれます。
10歳くらい~
『ほめて伸ばす』と『叱って伸ばす』を使い分けながらお子さんに対応していきましょう。
お子さんのやる気に対して制限をかけることはやめましょう。危険なことは除外して全て好きにやらせましょう。
『最近子供の様子が以前とは違う』と感じることがあれば、早い子はこの頃から反抗期が始まる可能性もあります。
反抗期とはお子さんの精神的な自立の証です。あまり心配する必要はありません。
親の対応としては反抗期と割り切った対応が必要です。
反抗期の頃の態度はそのままに、『ほめて伸ばす』と『叱って伸ばす』は継続して行いましょう。
まとめ
子育ては基本的に『ほめて伸ばす』から始めましょう。乳児は『ほめて伸ばそう』
子育ては基本的に『ほめて伸ばす』が中心です。
年齢や学年が上がれば、『ほめて伸ばす』と『叱って伸ばす』の使い分けをしましょう。
叱る前にお子さんのしたことに対して理解してあげましょう。共感が大切です。その後、なぜそれが悪いことなのかしっかり説明しましょう。
ほめて伸ばすと同様にプロセス(過程)にたいして叱りましょう。また子供に理解させましょう。叱るとは、できないことに対して一緒に考えることが必要です。
反抗期にも『ほめて伸ばす』と『叱って伸ばす』を続けましょう。
今回は家で行う子育てについて記事を書いております。塾や学校での教育とは切り離しております。塾や学校では親からの『ほめて伸ばす』に大迷惑です。
何が大迷惑かと言いますと、『うちの子は、ほめて伸ばす教育を行っているので、ここでは、けしておこらないでください』と、釘をさす親がいるようです。